パキラを枯らせないためには何に気を付ければ良いのでしょうか。パキラの基本的な特徴や花言葉、風水効果から枯らせないための育て方、植え替え方まで詳しくご紹介します。特に植え替えに関しては、ハイドロカルチャーの植え替えもご紹介します。
パキラの基本情報
パキラの特徴
パキラは、一年を通して光沢のある瑞々しい5枚1組の葉を広げる植物です。人間の掌を広げたような葉に美しい葉脈が入る姿は、ユニークで人気があります。乾燥や病害虫に強く育てやすい特徴もあり、観葉植物を初めて育てる方にもぴったりです。ナチュラルな雰囲気を持つので、オフィスやリビングなどに自然と馴染むインテリアグリーンとして重宝されています。
複数のパキラのふっくらとした幹を編み込んでいるものや、1株をそのまま自然樹形として楽しむようなものがあります。飾る場所の印象に合わせて楽しむことができます。小型サイズであれば窓際に、大型サイズであればリビングに置くのもおすすめです。直線上に伸びていくので、他のインテリアと干渉しにくいのも特徴です。
パキラの花言葉
パキラの花言葉には、「快活」と「勝利」があります。「快活」という花言葉は、パキラの生命力の強さを表しています。幹が太いものがあること、熱帯が原産であることから暑さに強いことも踏まえ、非常に生命力が強いのです。元気で丈夫な観葉植物という特徴がよく表れています。
「勝利」という花言葉は、パキラにまつわる昔話に由来しています。昔、貧しい村人がパキラを育てていたところ、パキラの生命力や育てやすいという特徴のおかげで商売が繁盛し、貧しい村人がお金を得ることができたという話があります。この逸話から、パキラは別名「発財樹」、「Money tree」とも呼ばれています。
パキラの風水効果
パキラには「幸運を招く」などポジティブな花言葉があり、幹の編みこみが印象的なインテリアプランツとして人気の観葉植物です。風水的にも注目されており、さまざまな運気を高める効果があるとされています。
金運を上げたい場合は、北の方位に置くことがおすすめです。パキラを売りひと財産を築いたという逸話からパキラは別名「発財樹」とも言われています。また観葉植物の葉っぱは手のひらをイメージすることから手のひらにお金が貯まると言われています。
仕事運・勉強運を上げたい場合は、東の方位や職場のデスク周り、勉強机に置くことがおすすめです。パキラは細長い葉っぱから強い気を発していると言われており、集中力アップが期待できます。
健康運を上げたい場合は、トイレや寝室に小さめのパキラを置いてみるのはいかがでしょうか。また、オフィスであれば東の方位にパキラを置いて健康運アップを試してみてください。
恋愛運を上げたい場合は、西と東南の方位に置くことがおすすめです。特に西は素敵な異性との出会い、東南はお付き合いをしている方との絆を深め結婚運に影響を与える方位にあたります。
パキラを枯らさない育て方
適切な日当たり
パキラは耐陰性がありますが、あまりにも日光不足になると枝が細くなり徒長して落葉してしまいます。室内では日光の当たる明るい場所に置いてください。ただし、夏の直射日光は強すぎて葉焼けし、白い斑点ができてしまう可能性があります。室内ではレースカーテン越しに、屋外では明るい日陰に置くようにしましょう。
1日3〜5時間日光に当てると害虫予防になり、病気も防ぐことができます。ただし、置き場所を急に変えるとストレスがかかり、葉が傷んでしまうことがあります。日光不足を感じたら少しずつ光が強い場所に移すようにしてください。
水やりのコツ
パキラは水はけが良く乾燥気味の土が生育に適しています。水やりは土が白っぽく乾いてから、根の隅々まで水と新鮮な空気が行きわたるように、鉢から流れ出るまでたっぷりやります。受け皿に溜まった水は根腐れの原因となるので必ず捨てましょう。
季節によって水やりの頻度が変わります。5月〜9月中旬の生育期は、目安として週に1回程度、土を確認して白っぽく乾いていたら水をやります。9月下旬の気温が下がってくる頃は、2〜3週に1回程度になります。真冬は月に1回程度、3月下旬から温かくなってくる頃は回数を徐々に増やしていきます。
いずれの季節も水をやりすぎると根腐れし、活力が弱って病気になることがあるので、必ず土が白っぽく乾いているかよく確認してください。室内の場合、葉が乾燥し過ぎてしまうので時々葉水(霧吹き)をしましょう。葉水をすることで、埃や菌を流し病気や害虫予防にもなります。
温度と湿度の管理
パキラは高温多湿を好み、5月〜9月に生育期を迎えます。一方、冬の寒さは苦手で気温が5℃以下になると葉が変色し、落葉してしまいます。できるだけ室内の明るく暖かい場所に置くと良いですが、窓際など温度差が激しく、朝晩冷え込む場所は避けてください。
湿度に関しては、他の観葉植物と比べても生命力が強い植物なので、冬場などの30%くらいの環境下でも十分に生きていけます。しかし、小さくて弱々しい個体や、しっかりと元気に育てたい場合には、湿度50%以上は欲しいところです。
適切な湿度環境下で育てられている植物は光合成の効率が良くなるため、理論上では育ちやすくなると考えられます。湿度を管理する方法としては、霧吹きを1日2回程度行うことや、水の入ったコップをパキラの近くに置くことが効果的です。
肥料の与え方
パキラに肥料を与える際は、与えすぎないように注意しましょう。肥料は多く与えるほど効果を発揮するわけではありません。与えすぎはパキラの根傷みや根腐れの原因になります。特に化学肥料の場合は、土も硬くなるので、水はけや水持ち、根の張りにも悪影響をもたらします。
肥料を与える時期は、植え替え時の元肥と生育期の追肥に分けられます。元肥は植え替え時に土に混ぜ込み、追肥は生育期に与えます。肥料を与える時間のおすすめは午前中です。基本的に、水やりと同じタイミングで与えます。
固形の肥料は、水やりで肥料分が溶けだすため、土が乾燥したタイミングで与えても効果はありません。液体肥料も水に薄めて与えるため、水やりと一緒に与えることで、水のやりすぎの防止になります。そのため、肥料はなるべく水やりをする朝のタイミングで与えるようにしましょう。
パキラの植え替え方法
植え替えの時期
パキラの植え替え時期は、5月~9月です。早春の3月は気温が安定していないので、植え替え後に低い温度に当たると傷む可能性があります。しっかりと気温が上がった5月~7月に植え替えると安心です。8月~9月は猛暑日を避けて植え替えるとよいでしょう。
気温が下がり始める11月以降は植え替えないようにしてください。室内の暖房で暖かいとはいえ、暖房を切った後に急に冷え込みます。寒さに弱い植物なので、パキラが傷んで枯れてしまう可能性があります。パキラの植え替えは冬になる前に行っておくことをおすすめします。
植え替えに必要な道具
パキラを植え替える際に必要な道具は以下の通りです。
新しい鉢:現在の鉢より一回り大きいものを選びます。
土:観葉植物用の培養土を用意します。
鉢底ネット:鉢底の穴から土が流出するのを防ぎます。
鉢底石:排水性を良くするために使用します。
移植ゴテ:根鉢を崩したり、新しい土を入れたりするのに使います。
はさみ:根を切る際に使用します。
新聞紙:作業場所を汚さないように敷きます。
これらの道具を準備したら、実際の植え替え作業に移ります。
土植えの植え替え手順
パキラの土植えの植え替え手順は以下の通りです。
まず、鉢底ネットを敷いて鉢底石を入れます。作業前に園芸シートを敷いておきましょう。その上に植え替える鉢を準備し、鉢底ネットを敷きます。その上から、鉢底ネットが見えなくなる程度に鉢底石を入れてください。鉢の大きさにもよりますが、鉢の高さの1/5~1/4の量を入れるとちょうどよいです。
次に、新しい土を入れます。鉢底石の上に新しい土を入れます。この時、パキラを植えた後の土の高さが鉢の縁から2~3cm下になるように調整します。
そして、パキラを鉢から取り出します。古い鉢を横に倒し、優しく叩いて根鉢を取り出します。根鉢が固まっている場合は、手で優しくほぐします。
根鉢をほぐしたら、準備した鉢にパキラを植えます。根鉢を新しい鉢の中心に置き、周りに新しい土を入れていきます。土を入れながら、軽く鉢を揺すって隙間を埋めていきます。
最後に、鉢の縁から2~3cm下まで土を入れ、軽く押さえて完成です。植え替え後は、たっぷりと水やりをして、明るい日陰で1週間ほど様子を見ましょう。
ハイドロカルチャーへの植え替え方法
ハイドロカルチャーとは、土を使わず人工の資材と水で植物を育てる栽培方法のことを指します。パキラはハイドロカルチャーでも育てやすい品種と言われています。ハイドロカルチャーは、土を使わないので清潔で、見た目もおしゃれに観葉植物を育てることができます。
ハイドロカルチャーへの植え替え手順は以下の通りです。
まず、パキラを容器から取り出し、根の周りについている土をある程度取り除きます。その後、水を張ったバケツなどで振り洗いします。ある程度土が落ちたら15度くらいのぬるま湯につけて、さらにきれいに土を落としましょう。土が残っていると水が腐りやすくなるため、土を落とし切るまで何度もお湯を変えて洗います。
次に、ハイドロボールを水洗いします。ハイドロボールには細かい粉や汚れがついているので、最初に水洗いしておきましょう。
そして、根腐れ防止剤を容器の底から2/3程度敷き詰めます。その上にハイドロボールを入れ、パキラを植え付けます。
最後に、水位計を使って適切な水位を保ちます。ハイドロカルチャーは常に根が水に浸かっている状態のため、根腐れを起こしやすいのが難点です。頻繁に水やりを行わず、用土が乾いてきた頃に水を与えることがポイントです。水位計を使用している場合は、最適水位(OPT)まで水を入れるようにしましょう。
パキラの剪定と増やし方
剪定の方法とタイミング
パキラの剪定は、5月~6月頃が最適な時期です。剪定する際は、全体のバランスを見ながら枝の節を確認し、短めに剪定しましょう。枝葉が密集している部分は風通しがよくなるように剪定します。剪定後に枝が伸びることも考えて短めに剪定すると、その後の形がよくなります。
剪定の手順は以下の通りです。まず、パキラの剪定位置の節を確認します。次に、節が残るように剪定します。最後に、切り口に癒合剤を付けます。節のやや上で切って、切り口に癒合剤を付けることで、剪定後の枯れ込みも少なくなるでしょう。
挿し木での増やし方
パキラは挿し木で簡単に増やすことができます。挿し木の時期は5月~9月頃が適しています。剪定した枝を使って挿し木をすることで、新しいパキラを育てることができます。
挿し木の手順は以下の通りです。まず、青々とした元気のある枝を選び、長さ10~20cmほどにカットして挿し穂をつくります。葉は2~3枚程度残して、あとは取り除きます。次に、挿し木用の土を入れた容器に、挿し穂を植えます。水で湿らせた土に、指で軽くくぼみをつけて挿し穂を植えましょう。
挿し木後は、直射日光を避けて半日陰の場所で管理します。土の表面が乾いたらたっぷり水やりをし、発根して枝葉がピンと張るようになるまでは土を乾かしすぎないように注意しましょう。約1~2か月後には根が出てきますので、その時点で新しい鉢に植え替えて育てます。
パキラの病害虫対策
よくある病気と対処法
パキラは比較的丈夫な植物ですが、いくつかの病気にかかることがあります。代表的な病気には根腐れがあります。根腐れは水やりのしすぎが原因で起こることが多いため、適切な水管理が重要です。根腐れを防ぐには、土の表面が乾いてから水やりをし、受け皿に溜まった水はこまめに捨てるようにしましょう。
また、葉の黄変や落葉も注意が必要です。これらは日光不足や肥料不足、温度管理の問題などが原因で起こることがあります。適切な日光と肥料を与え、適温で管理することで予防できます。
害虫の種類と駆除方法
パキラにつきやすい害虫には、コナカイガラムシ、ハダニ、アブラムシなどがあります。これらの害虫は、パキラの生育を妨げ、最悪の場合は枯れてしまう原因にもなります。
害虫の駆除方法としては、まず物理的な方法があります。小さな虫は粘着テープで取り除いたり、使い古した歯ブラシでこすり落としたりすることができます。また、霧吹きやシャワーで水をかけ、吹き飛ばす方法も効果的です。
化学的な方法としては、市販の殺虫剤を使用することができます。ただし、使用する際は説明書をよく読み、適切な量と方法で使用しましょう。また、予防策として、除虫菊を配合した防虫スプレーを定期的に使用することも効果的です。
日頃から植物の状態をよく観察し、害虫を早期に発見することが大切です。また、定期的に葉を拭いたり、風通しをよくしたりすることで、害虫の発生を予防することもできます。
まとめ
パキラは育てやすく人気の観葉植物ですが、適切なケアが必要です。日光、水やり、温度管理に気を付け、定期的な剪定や病害虫対策を行うことで、健康に育てることができます。また、挿し木での増やし方を覚えれば、一つの株から多くのパキラを育てることができます。これらの知識を活かして、美しく元気なパキラを育ててみてください。