スナップエンドウの育て方とは?初心者でも失敗しない栽培方法のコツを徹底解説!

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スナップエンドウは、グリーンピースを改良してできた比較的新しい野菜です。かわいらしい花とたくさんの実をつけるスナップエンドウの育て方は意外と簡単です。プランターでも手軽に楽しむことができるスナップエンドウの育て方をご紹介します。

スナップエンドウの基本情報

スナップエンドウとは

スナップエンドウは、マメ科エンドウ属に分類される野菜です。グリーンピースの仲間ですが、若いさやごと食べられるのが特徴です。エンドウの中でも比較的新しい品種で、さやが柔らかく甘みがあり、食感も楽しめます。

スナップエンドウは、ビタミンCが豊富で、食物繊維も多く含まれています。また、ビタミンA、B1、ミネラル分も豊富な緑黄色野菜です。栄養価が高く、さっと炒めたり、サラダに入れたりと、様々な料理に活用できます。

スナップエンドウの特徴

スナップエンドウの特徴は、さやごと食べられることです。通常のエンドウ豆と違い、さやが柔らかく、甘みがあります。さやの中の豆が膨らみ始めた頃が食べ頃で、さやがパリッとした食感を楽しめます。

花は白色や紅色があり、見た目も美しいです。つるが伸びる「つるあり種」と、つるが伸びないわい性の「つるなし種」がありますが、家庭菜園では主につるあり種が栽培されています。つるあり種は支柱を立てて育てる必要がありますが、長期間にわたって収穫を楽しむことができます。

スナップエンドウの栽培カレンダー

スナップエンドウの栽培は、主に秋まき春採りの方法で行われます。栽培カレンダーは以下の通りです。

種まき:10月中旬〜11月中旬
植え付け:11月頃
越冬:12月〜2月
追肥:2月下旬〜6月
開花時期:3〜4月
収穫時期:4〜6月

寒冷地では、春まきも可能です。この場合、3月中旬〜4月中旬に種をまき、6月〜7月に収穫します。

スナップエンドウは冷涼な気候を好み、生育適温は15〜20℃です。低温に強く、幼苗は4〜7℃の低温にも耐えます。ただし、株が大きくなると耐寒性が失われるので、早まきは避けましょう。

スナップエンドウの育て方

種まきの方法

スナップエンドウの種まきは、直接畑やプランターに行う方法と、ポットで育苗してから植え付ける方法があります。ここでは、直接種まきする方法をご紹介します。

まず、種まきの2週間前に苦土石灰を散布し、土壌のpHを調整します。酸性に弱いので、pH6.0〜7.0くらいに調整するのがよいでしょう。その後、1週間前に堆肥と元肥を施し、よく耕しておきます。

種まきの穴は、ビンの底などを使って深さ3cmほどに作ります。1つの穴に4〜5粒の種をまき、2cmほど土をかけます。株間は30cmくらいあけるのがよいでしょう。種をまいたら、土が乾燥しないようしっかりと水やりをします。

種まき後は、鳥に食べられないよう不織布などで覆っておくと安心です。6〜10日程度で発芽しますが、本葉が出るまでは保護しておきましょう。

土づくりのコツ

スナップエンドウの栽培では、土づくりが重要です。酸性土壌に弱いので、必ず苦土石灰を施して土壌のpHを調整します。1平方メートルあたり150〜200g程度の苦土石灰を散布し、よく耕しましょう。

また、水はけの良い土壌を好みます。粘土質の土壌の場合は、完熟堆肥を混ぜて土を軽くするとよいでしょう。1平方メートルあたり1.5kg程度の堆肥を施します。

肥料は、窒素・リン酸・カリウムをバランスよく含む化成肥料を使用します。1平方メートルあたり50g程度の化成肥料(8-8-8)と、30g程度の過リン酸石灰を施します。

連作を嫌うので、少なくとも3〜4年以上エンドウ類を栽培していない場所を選びましょう。プランター栽培の場合は、毎年土を入れ替えるか、市販の野菜用培養土を使用するのがおすすめです。

水やりの頻度と量

スナップエンドウは、過湿に弱い野菜です。水やりは土が乾いたら行うようにしましょう。目安としては、土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水をあげます。

特に気をつけたいのは、発芽直後と開花期です。発芽直後は土が乾燥しないよう注意が必要です。開花期には水不足になると花が落ちてしまうので、こまめに水やりをしましょう。

ただし、水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意が必要です。水やりの際は、株元に直接水をかけるのではなく、株の周りにゆっくりと水をあげるようにします。

プランター栽培の場合は、底面給水を利用するのも良い方法です。これにより、根が十分に水を吸収でき、過湿も防げます。

肥料の与え方

スナップエンドウは、肥料の与えすぎに注意が必要です。特に窒素肥料の過剰は、つるぼけの原因になります。基本的には、元肥をしっかり与えておけば、追肥は控えめで構いません。

追肥のタイミングは、秋まきの場合、越冬後の2月下旬頃と開花前に行います。春まきの場合は、開花後と収穫最盛期に行います。

追肥には、化成肥料(8-8-8)を使用し、1平方メートルあたり30g程度を株の周りにまくようにします。肥料が茎や葉に直接触れないよう注意しましょう。

プランター栽培の場合は、液体肥料を薄めて与えるのも効果的です。2週間に1回程度、水やりのついでに与えるとよいでしょう。

支柱の立て方

スナップエンドウは、つる性の植物です。つるあり種を栽培する場合は、必ず支柱を立てる必要があります。支柱は、つるが15〜20cmほど伸びてきたら立てます。

支柱の高さは1.5〜2m程度のものを用意します。プランター栽培の場合は、プランターの両端に支柱を立て、ネットを張る方法が簡単です。畑栽培の場合は、1m間隔で支柱を立て、ひもで格子状に結んでいきます。

支柱を立てる際は、根を傷つけないよう注意しましょう。支柱は株から10cmほど離して立てるのがコツです。

誘引の仕方

誘引とは、つるを支柱に絡ませていく作業のことです。スナップエンドウのつるは、自然に支柱に絡みつきますが、適切に誘引することで、日当たりや風通しが良くなり、病気の予防にもなります。

誘引は、つるが20〜30cmほど伸びてきたら始めます。つるを支柱やネットに優しく巻きつけていきます。つるが柔らかいうちに行うのがコツです。

誘引の際は、つるを傷つけないよう注意しましょう。無理に曲げたり、きつく縛ったりしないようにします。つるが伸びてきたら、こまめに誘引を行い、整理整頓された状態を保ちます。

間引きのタイミングと方法

スナップエンドウの間引きは、本葉が2〜3枚出た頃に行います。1箇所に4〜5粒まいた種から、最も生育の良い2本を残し、他は間引きます。

間引きの際は、残す苗を傷つけないよう注意しましょう。根を傷めないよう、地際からハサミで切るか、優しく引き抜きます。間引いた苗は、サラダなどに利用できます。

プランター栽培の場合は、間引きをせずに育てることもできます。その場合は、最初から1箇所に2〜3粒程度まくようにします。

病気と害虫対策

よくある病気とその対処法

スナップエンドウの栽培で注意すべき病気には、うどんこ病、灰色かび病、立枯病などがあります。

うどんこ病は、葉や茎に白い粉をふいたような症状が現れます。予防には、風通しを良くすることが大切です。発生初期には、重曹水を散布するのも効果的です。

灰色かび病は、湿度が高い環境で発生しやすい病気です。茎や葉、さやに灰色のカビが生えます。予防には、株の間隔を適切にあけ、風通しを良くすることが重要です。発病した部分は早めに取り除きましょう。

立枯病は、地際の茎が褐色に変色し、やがて株全体が枯れてしまう病気です。水はけの悪い土壌で発生しやすいので、排水性の良い土づくりが大切です。発病した株は早めに抜き取り、土ごと処分します。

これらの病気は、予防が大切です。適切な栽培管理を心がけ、株の様子を日々観察することが重要です。

害虫の種類と予防法

スナップエンドウを狙う主な害虫には、アブラムシ、ハモグリバエ、ウリハムシなどがあります。

アブラムシは、新芽や若い葉に集まり、吸汁します。発生初期には、水で洗い流すだけでも効果があります。重症の場合は、市販の殺虫剤を使用します。

ハモグリバエは、葉に潜って食害します。葉に白い筋のような跡が残ります。被害が軽い場合は、被害葉を摘み取って処分します。発生が多い場合は、殺虫剤を使用します。

ウリハムシは、葉を食害します。黄色や緑色の小さな甲虫で、見つけ次第捕殺します。防虫ネットで覆うのも効果的な予防法です。

害虫対策の基本は、早期発見・早期対処です。定期的に株の様子を観察し、異常があれば速やかに対処しましょう。また、周辺の雑草を取り除くことも、害虫の発生を抑える効果があります。

収穫の時期と方法

収穫のタイミング

スナップエンドウの収穫時期は、開花から25日前後が目安です。さやの中の豆が膨らみ始め、さやがまだ緑色で張りがある状態が最適です。

具体的には、さやの長さが7〜8cm程度になり、豆が小指の爪くらいの大きさに育ったら収穫適期です。さやを軽く押してみて、中の豆がはっきりとわかる程度に膨らんでいれば収穫のサインです。

収穫が遅れると、さやが黄ばんできて固くなり、食味が落ちてしまいます。早めの収穫を心がけましょう。

収穫の仕方

スナップエンドウの収穫は、さやの付け根を指の爪でつまんで摘み取るか、ハサミを使って切り取ります。さやを引っ張って取ると、茎を傷つける可能性があるので避けましょう。

収穫は、朝の涼しい時間帯に行うのがおすすめです。朝摘みのスナップエンドウは、みずみずしさが保たれています。

収穫したスナップエンドウは、なるべく早く食べるのがおいしさを保つコツです。しかし、すぐに食べきれない場合は適切な保存方法を知っておくと便利です。

冷蔵保存の場合は、キッチンペーパーでスナップエンドウを包み、ポリ袋に入れて空気を抜きながら口を閉じます。そして冷蔵庫の野菜室で保存します。この方法で3〜4日程度は鮮度を保つことができます。

冷凍保存も可能です。まず、鍋に湯を沸かして少量の塩を溶かします。ヘタと筋を取り除いたスナップエンドウをサッとゆでて、ザルにあげて粗熱を取ります。キッチンペーパーで水気を拭き取ったら、ラップに包んで冷凍用保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。この方法なら1ヶ月程度保存が可能です。

冷凍したスナップエンドウを使う際は、凍ったまま鍋やフライパンに入れて調理するのがおすすめです。解凍すると水っぽくなってしまうので、凍ったまま調理することで食感を損なわずに楽しめます。

スナップエンドウは様々な料理に活用できる便利な野菜です。シンプルな調理法から少し手の込んだレシピまで、幅広く楽しむことができます。

例えば、スナップエンドウのおかか和えは簡単でおいしい一品です。ゆでたスナップエンドウを細かく切り、かつお節、醤油、みりんで和えるだけで完成します。お弁当のおかずにもぴったりです。

マスタードマヨ和えも人気のレシピです。ゆでたスナップエンドウをマヨネーズと粒マスタードで和えるだけの簡単な調理法ですが、マスタードの風味がアクセントになってさっぱりとした味わいを楽しめます。

炒め物にも向いています。じゃがいもとスナップエンドウのバター炒めは、家庭でも簡単に作れる一品です。じゃがいもを電子レンジで加熱してから炒めることで時短になり、バターの風味とスナップエンドウのシャキシャキ感が絶妙なハーモニーを奏でます。

パスタの具材としても活躍します。スナップエンドウのペペロンチーノ風は、にんにくとオリーブオイル、唐辛子で炒めたスナップエンドウをパスタに絡めるだけで、簡単においしい一皿が完成します。

和風の調理法も人気です。スナップエンドウのふんわり卵とじは、だし汁で煮た具材に溶き卵を流し入れて作ります。優しい味わいで、ご飯のおかずにぴったりです。

このように、スナップエンドウは和洋中問わず様々な料理に使える万能野菜です。その鮮やかな緑色は料理に彩りを添え、シャキシャキとした食感は食卓に楽しさをプラスしてくれます。

栄養面でも優れており、ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれています。特にビタミンCは加熱しても壊れにくいため、炒め物や煮物にしても栄養価を保つことができます。

また、カロリーが低いのも特徴です。100gあたり約30kcalと、ダイエット中の方にもおすすめの野菜です。サラダやおつまみとして食べれば、罪悪感なくヘルシーに楽しむことができます。

スナップエンドウの選び方も重要です。購入する際は、さやがふっくらとして張りがあり、鮮やかな緑色をしているものを選びましょう。さやの表面にシワがあったり、黄ばんでいるものは鮮度が落ちている可能性があります。また、さやを軽く押してみて、中の豆がはっきりとわかる程度に膨らんでいるものが食べ頃です。

このように、スナップエンドウは栽培から調理、保存まで幅広い知識を持っておくと、より楽しく活用することができます。季節の味覚を存分に楽しみながら、健康的な食生活を送るためにも、ぜひスナップエンドウを積極的に取り入れてみてください。

まとめ

スナップエンドウは栽培が比較的簡単で、家庭菜園やプランター栽培にも適した野菜です。適切な育て方と収穫のタイミングを押さえることで、新鮮でおいしいスナップエンドウを楽しむことができます。また、様々な調理法や保存方法を知ることで、その魅力を最大限に引き出すことができます。栄養価が高く、低カロリーなので健康的な食生活にも貢献してくれる、まさに優れものの野菜と言えるでしょう。

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