サラダやフライと様々な料理に使用されるじゃがいも。しかし、庭が無い家庭では育てることはできないと思っている人も少なくないでしょう。実は、じゃがいもはプランターを使用することで育てることができるのです。今回は、じゃがいもをプランターで育てる方法をご紹介します。
プランターでじゃがいもを育てるメリット
プランターでじゃがいもを育てることには、いくつかのメリットがあります。まず、場所を取らないことが挙げられます。ベランダや玄関先など、限られたスペースでも栽培が可能です。また、土作りや雑草の管理が比較的簡単です。プランターの土は新しいものを使用するので、病気や害虫のリスクも低くなります。さらに、収穫時に土を掘り返す必要がないため、手軽に楽しむことができます。
じゃがいもの栽培に適した時期
じゃがいもの栽培時期は、春植えと秋植えの2回あります。春植えの場合、地域によって異なりますが、一般的に2月下旬から4月上旬が適しています。暖かい地域では2月中旬から、寒い地域では4月上旬から5月上旬が植え付けの目安となります。秋植えは、暖かい地域で9月上旬から中旬、それ以外の地域では8月下旬から9月上旬が適しています。ただし、寒冷地では霜の影響を受けやすいため、秋植えは避けた方が良いでしょう。
プランター栽培に必要な道具と材料
プランターの選び方
じゃがいもを育てるのに適したプランターは、深さが30cm以上あるものです。根がしっかりと張り、いもが大きく育つためには十分な深さが必要です。幅は60cm以上のものを選びましょう。材質は、プラスチック製や木製など、お好みのものを選んでください。排水穴があることを確認し、なければ底に穴を開けてください。
土の準備
じゃがいもの栽培には、水はけの良い土が適しています。市販の野菜用培養土を使用するのが簡単です。酸性を好むので、pH5.0~5.5の土が理想的です。培養土に腐葉土や堆肥を混ぜると、より良い環境になります。プランターの底に鉢底石を敷き、その上に培養土を入れます。土は8分目程度まで入れ、表面を平らにならします。
種イモの選び方
種イモは、食用のじゃがいもではなく、園芸店で販売されている専用のものを使用しましょう。品種は、男爵いも、メークイン、キタアカリなどが一般的です。大きさは、60~70g程度のものが適しています。芽が出ているものを選び、2~3個の芽がついているものが理想的です。
じゃがいもの植え付け方法
種イモの準備
種イモが大きい場合は、2~3個の芽が残るように切り分けます。切り口は、乾燥させて傷口を癒合させます。これは、病気の予防になります。切り口に草木灰をつけると、さらに効果的です。切り分けた種イモは、1~2日ほど陰干しして、表面を乾かします。
プランターへの植え付け手順
プランターに土を入れたら、20~25cm間隔で穴を開けます。穴の深さは、種イモの2倍程度にします。種イモを芽を上にして置き、優しく土をかぶせます。土の表面から3~5cm程度の深さになるようにします。植え付けが終わったら、たっぷりと水をやります。この時、種イモが流されないように注意しましょう。
じゃがいもの育て方
水やりの頻度と方法
じゃがいもは、水を好む野菜です。特に、芽が出てから花が咲くまでの期間は、土が乾かないように注意が必要です。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意しましょう。土の表面が乾いたら、たっぷりと水をやります。朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをするのが理想的です。
芽かきと土寄せの方法
芽が15~20cmほど伸びたら、芽かきを行います。1つの種イモから複数の芽が出ている場合、強い芽を1~2本残して他は取り除きます。これにより、栄養が集中し、大きないもが育ちます。芽かきの後、株元に土を寄せます。これを土寄せと言います。土寄せは、いもの緑化を防ぎ、収穫量を増やす効果があります。
追肥のタイミングと方法
じゃがいもは、生育期間中に2回の追肥を行います。1回目は、芽かきと土寄せを行った後です。株と株の間に、化成肥料を15~20gほどまきます。2回目は、つぼみがつき始めた頃です。同様に化成肥料をまき、軽く土をかぶせます。追肥の際は、肥料が茎や葉に直接触れないように注意しましょう。
じゃがいもの病気と害虫対策
じゃがいもの栽培で注意すべき病気には、疫病やそうか病などがあります。疫病は、梅雨時期に発生しやすく、葉に茶色の斑点ができ、急速に広がります。予防には、風通しを良くし、過度な水やりを避けることが大切です。そうか病は、いもの表面にかさぶた状の斑点ができる病気です。酸性土壌を好むので、石灰の使用は控えめにしましょう。
害虫対策としては、アブラムシやコロラドハムシに注意が必要です。アブラムシは、葉の裏側に集まって汁を吸います。見つけたら、水で洗い流すか、市販の殺虫剤を使用します。コロラドハムシは、葉を食べる害虫です。発見したら、手で取り除くか、殺虫剤を使用します。定期的に株の状態をチェックし、早期発見・早期対策を心がけましょう。
収穫の時期と方法
じゃがいもの収穫時期は、花が咲き終わり、葉が黄色くなり始めた頃です。植え付けから約100日後が目安となります。収穫は、晴れが続いて土が乾いているときに行います。株元から20~30cm離れたところにスコップを差し込み、土ごといもを掘り起こします。手で株を引き抜き、土の中に残ったいもを拾い上げます。
収穫したいもは、土をつけたまま日陰で半日ほど乾燥させます。これにより、表面の傷が癒合し、長期保存が可能になります。収穫したいもは、すぐに食べるものと保存用に分けます。傷があるものは早めに使い切りましょう。
おいしいじゃがいもの保存方法
じゃがいもは、適切に保存すれば長期間楽しむことができます。保存の基本は、冷暗所に置くことです。光に当たると緑化し、有毒物質のソラニンが生成されるので注意が必要です。新聞紙で包んで、風通しの良い場所に置きます。温度は7~10℃が理想的です。
冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙で包んでからビニール袋に入れ、野菜室に保管します。この方法なら1~2ヶ月は保存可能です。冷凍保存する場合は、茹でるか蒸してから潰し、小分けにして冷凍します。ポテトサラダやコロッケの具として使用できます。
プランター栽培でのじゃがいもの育て方のコツとポイント
プランター栽培でじゃがいもを上手に育てるには、いくつかのコツがあります。まず、日当たりの良い場所を選びましょう。じゃがいもは日光を好むので、1日6時間以上の日光が当たる場所が理想的です。また、風通しの良い場所も大切です。これにより、病気の予防にもなります。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと行います。ただし、水のやりすぎは根腐れの原因になるので注意が必要です。特に、梅雨時期は水やりの頻度を減らし、プランターを雨よけの場所に移動させるのも良いでしょう。
土寄せは、いもの緑化を防ぎ、収穫量を増やす重要な作業です。芽が15~20cmほど伸びたら、株元に土を寄せます。これを2~3回繰り返すことで、より多くのいもが育ちます。
肥料は、植え付け時と生育期間中の2回与えます。ただし、与えすぎると葉ばかりが茂り、いもの成長が悪くなるので注意しましょう。追肥は、株と株の間に浅く溝を掘り、そこに肥料を入れて土をかぶせます。
最後に、収穫のタイミングを逃さないことが大切です。葉が黄色くなり始めたら、試し掘りをして大きさを確認します。適期を過ぎると、いもが大きくなりすぎて味が落ちてしまうので注意が必要です。
まとめ
プランターでのじゃがいも栽培は、思ったより簡単です。適切な時期に植え付け、水やりや土寄せなどの基本的な管理を行えば、美味しいじゃがいもを収穫できます。家庭菜園初心者の方も、ぜひチャレンジしてみてください。自分で育てたじゃがいもは、格別な美味しさです。