切り花にできる多年草は?庭で育てて楽しむ長持ちする花々

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お庭や花壇に咲く美しい花々を眺めるのは素敵な楽しみですね。でも、雨や風にさらされてしまうと、せっかくの花も傷んでしまうことがあります。そんな時、切り花として楽しむ方法があるのをご存知ですか?特に多年草は、一度植えれば毎年花を咲かせてくれるので、長期間にわたって楽しむことができます。

多年草を切り花として楽しむことで、お庭の花をより身近に感じられるようになります。花瓶に生けた花を眺めながら、お茶を飲んだり読書をしたりする時間は、きっと特別なものになるでしょう。また、自分で育てた花をプレゼントとして友人に贈ることもできます。心のこもった贈り物は、きっと喜ばれることでしょう。

この記事では、切り花に適した多年草の特徴や、おすすめの品種、育て方のポイントなどをご紹介します。これから多年草を育ててみたい方や、すでに育てている花を切り花として楽しみたい方にとって、役立つ情報をお伝えしていきます。

切り花に適した多年草の特徴

多年草の中でも、切り花に向いている種類には、いくつかの共通点があります。これらの特徴を知っておくと、お庭に植える花を選ぶ際の参考になりますよ。

長持ちする花

切り花として楽しむなら、やはり長持ちする花が理想的です。水揚げをしっかりと行い、適切な環境で管理すれば、1週間以上楽しめる花もあります。例えば、エキナセアやリアトリスなどは、切り花にしても長く楽しむことができます。

次々と咲く性質

一度に大量の花を咲かせるのではなく、少しずつ次々と花を咲かせる性質を持つ多年草は、切り花に適しています。これにより、長期間にわたって花を楽しむことができます。アスターやサルビアなどがこの特徴を持っています。

丈夫で育てやすい

切り花用の多年草を選ぶ際は、丈夫で育てやすい種類を選ぶことをおすすめします。病気や害虫に強く、特別な管理をしなくても元気に育つ花なら、初心者の方でも安心して育てることができます。ルドベキアやエキナセアなどは、比較的丈夫で育てやすい多年草の代表例です。

おすすめの切り花向き多年草10選

ここからは、切り花に適した多年草を10種類ご紹介します。それぞれの花の特徴や魅力、育て方のポイントなどをお伝えしていきます。

アルケミラ

アルケミラは、小さな黄緑色の花を咲かせる多年草です。葉の形が特徴的で、雨粒や露を受け止めるように丸く窪んでいます。切り花として使う際は、花だけでなく葉も一緒に活けると、独特の雰囲気を演出できます。

アルケミラは日陰でも育つので、日当たりの悪い場所でも栽培可能です。水はけの良い土壌を好むので、植える際は腐葉土を混ぜるなどして、排水性を良くしておきましょう。

オダマキ

オダマキは、独特の形をした花が特徴的な多年草です。花の形が西洋の鷲の爪に似ていることから、英語では「Columbine(ハトの意味)」と呼ばれています。様々な色の花を咲かせるので、切り花としても人気があります。

オダマキは比較的丈夫な植物ですが、高温多湿を苦手とします。夏場は風通しの良い場所で管理し、水やりは控えめにしましょう。また、花後に種をつけますが、これを放置すると株が弱ってしまうので、花が終わったら早めに切り取るようにしてください。

アスター

アスターは、秋を代表する多年草の一つです。小さな花を多数咲かせ、紫や白、ピンクなど様々な色があります。切り花として使う際は、花が半分程度開いた状態で摘むのがおすすめです。

アスターは日当たりの良い場所を好みます。土壌は水はけが良く、肥沃なものを好みます。夏場は高温多湿を避けるため、風通しの良い場所で管理しましょう。また、背が高くなる品種は支柱を立てて管理すると良いでしょう。

アスチルベ

アスチルベは、羽毛のような柔らかな印象の花穂を持つ多年草です。白やピンク、赤など、様々な色の花を咲かせます。切り花として使う際は、花穂が完全に開ききる前に摘むのがポイントです。

アスチルベは半日陰を好む植物です。日当たりが強すぎると葉が焼けてしまうので注意が必要です。また、乾燥に弱いので、土が乾かないように気を付けましょう。特に夏場は水やりを丁寧に行うことが大切です。

クリスマスローズ

クリスマスローズは、冬から早春にかけて花を咲かせる多年草です。花の色は白や淡いピンク、深紅など様々で、長期間楽しむことができます。切り花として使う際は、花が完全に開いてから摘むのがおすすめです。

クリスマスローズは日陰や半日陰を好みます。直射日光が当たる場所は避けましょう。また、水はけの良い土壌を好むので、植える際は腐葉土を混ぜるなどして、排水性を良くしておくことが大切です。

ヤグルマギク

ヤグルマギクは、青い花が特徴的な多年草です。別名「矢車菊」とも呼ばれ、切り花としても人気があります。花言葉は「幸福」で、ブーケにも使われることがあります。

ヤグルマギクは日当たりの良い場所を好みます。土壌は水はけが良く、肥沃なものを好みます。乾燥に強い植物なので、水やりは控えめで大丈夫です。また、花後に種をつけますが、これを放置すると株が弱ってしまうので、花が終わったら早めに切り取るようにしてください。

フロックス

フロックスは、小さな花を集めて大きな花房を作る多年草です。ピンクや紫、白など様々な色があり、甘い香りを楽しむこともできます。切り花として使う際は、花房の半分程度が開いた状態で摘むのがおすすめです。

フロックスは日当たりの良い場所を好みます。ただし、真夏の直射日光は避けた方が良いでしょう。土壌は水はけが良く、肥沃なものを好みます。また、株が大きくなりすぎると中心部が枯れてしまうことがあるので、数年に一度は株分けを行うことをおすすめします。

ルピナス

ルピナスは、細長い花穂に小さな花をびっしりと咲かせる多年草です。青や紫、ピンク、白など様々な色があり、切り花としても人気があります。花穂が完全に開ききる前に摘むと、長く楽しむことができます。

ルピナスは日当たりの良い場所を好みます。土壌は水はけが良く、やや酸性のものを好みます。アルカリ性の土壌では育ちにくいので注意が必要です。また、高温多湿を苦手とするので、夏場は風通しの良い場所で管理しましょう。

サルビア

サルビアは、縦に伸びた花穂に小さな花を咲かせる多年草です。赤や青、紫など様々な色があり、長期間花を楽しむことができます。切り花として使う際は、花穂の下部が開き始めた頃に摘むのがおすすめです。

サルビアは日当たりの良い場所を好みます。土壌は水はけが良く、肥沃なものを好みます。乾燥に強い植物なので、水やりは控えめで大丈夫です。また、花後に種をつけますが、これを放置すると株が弱ってしまうので、花が終わったら早めに切り取るようにしてください。

クレマチス

クレマチスは、大きな花を咲かせるつる性の多年草です。様々な色や形の花があり、切り花としても人気があります。花が完全に開いてから摘むと、長く楽しむことができます。

クレマチスは日当たりの良い場所を好みますが、根元は涼しく保つ必要があります。這わせる支柱や棚を用意し、根元に日陰を作るように植えましょう。また、水はけの良い土壌を好むので、植える際は腐葉土を混ぜるなどして、排水性を良くしておくことが大切です。

多年草の育て方のポイント

多年草を健康に育て、美しい花を咲かせるためには、適切な育て方を知ることが大切です。ここでは、多年草の育て方のポイントをご紹介します。

植え付け

多年草を植え付ける際は、まず適切な場所を選ぶことが重要です。多くの多年草は日当たりの良い場所を好みますが、中には半日陰を好む種類もあります。それぞれの植物の特性を理解し、適した環境を選びましょう。

土壌は、一般的に水はけが良く、肥沃なものが適しています。植え付ける前に、腐葉土や堆肥を混ぜて土壌を改良しておくと良いでしょう。また、植え付ける際は、根鉢を崩さないように注意し、植え付け後はたっぷりと水を与えます。

日常の手入れ

多年草の日常の手入れで最も重要なのは、適切な水やりです。土の表面が乾いたら水を与えるのが基本ですが、植物によって水を好む度合いが異なるので、それぞれの特性に合わせて調整しましょう。

また、定期的な施肥も大切です。春と秋に緩効性の肥料を与えると、健康な成長を促すことができます。ただし、肥料の与えすぎには注意が必要です。過剰な施肥は、かえって植物を弱らせてしまう可能性があります。

花が終わった後の手入れも重要です。花がら摘みを行うことで、次の花芽の形成を促すことができます。また、秋になったら地上部を刈り込み、冬越しの準備をしましょう。

病害虫対策

健康な多年草を育てるためには、病害虫対策も欠かせません。まずは予防が大切です。風通しの良い環境を作り、適切な間隔で植えることで、病気の発生を抑えることができます。

害虫対策としては、定期的に株元や葉の裏側をチェックし、早期発見・早期対処を心がけましょう。アブラムシやハダニなどの小さな害虫は、見つけ次第手で取り除くか、水で洗い流すのが効果的です。

もし病気や害虫の被害が大きくなってしまった場合は、農薬の使用を検討しましょう。ただし、使用する際は説明書をよく読み、適切な方法で使用することが大切です。

季節別の楽しみ方

多年草の切り花は、季節ごとに異なる魅力を楽しむことができます。ここでは、春夏秋冬それぞれの季節に合わせた切り花の楽しみ方をご紹介します。

春は、多年草が冬の眠りから目覚め、新しい生命力にあふれる季節です。この時期は、デルフィニウムやルピナスなどの背の高い多年草が美しい花を咲かせます。これらの花は、大きな花瓶に生けると、春の訪れを感じさせる華やかなディスプレイになります。また、春咲きのアネモネやプリムラなどの小さな花を、小さな花瓶に数輪ずつ生けて、テーブルや窓辺に飾るのもおすすめです。

夏は、多年草が最も活発に成長し、色鮮やかな花を咲かせる季節です。エキナセアやルドベキアなどの大輪の花は、夏の太陽の光を思わせる明るい雰囲気を演出します。これらの花は、単独で大きな花瓶に生けても存在感があります。また、ラベンダーやセージなどのハーブ系の多年草を加えると、爽やかな香りも楽しめます。夏の暑さを和らげるために、涼しげな青や紫の花を選ぶのもよいでしょう。

秋は、多年草の花色が深みを増し、落ち着いた雰囲気になる季節です。アスターやセダムなどの秋咲きの多年草は、紅葉した枝や実物と組み合わせることで、秋の豊かさを表現できます。また、この時期は、夏の終わりに切り戻した多年草が再び花を咲かせることもあります。これらの花を、秋の実りを象徴する果物や野菜と一緒に飾ると、季節感豊かなアレンジメントになります。

冬は、多くの多年草が休眠期に入りますが、クリスマスローズやヘレボルスなどの冬咲きの多年草が、寒い季節に彩りを添えてくれます。これらの花は、常緑の枝や松ぼっくりなどと組み合わせることで、冬の静けさと生命力を表現できます。また、ドライフラワーにした夏や秋の多年草を使って、冬のアレンジメントを作るのも楽しいでしょう。乾燥した花は、長期間楽しむことができ、冬の室内を華やかに彩ります。

まとめ

切り花にできる多年草を庭で育てることは、ガーデニングの楽しみを倍増させてくれます。季節ごとに変化する花の姿を楽しみながら、自分で育てた花を室内に飾ることで、自然との結びつきを感じることができます。適切な育て方と管理を心がけることで、美しい花を長く楽しむことができます。多年草の魅力を存分に味わい、四季折々の花のある暮らしを楽しんでください。

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