亀を飼うと貧乏になると言われている理由は?

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亀を飼うと貧乏になるって本当でしょうか。この言い伝えの真相を探ってみましょう。亀は長寿で愛らしい生き物ですが、飼育には意外と費用がかかるものです。でも、きちんと計画を立てれば、むしろ豊かな生活のお供になってくれるかもしれません。

亀を飼うと貧乏になる?その真相

言い伝えの由来

「亀を飼うと貧乏になる」という言い伝えは、昔からよく聞く話です。この言葉の背景には、亀の長寿と飼育にかかる継続的な費用があります。亀は数十年も生きる生き物です。そのため、飼い主は長期間にわたって世話をし続ける必要があります。

また、亀は比較的手がかからないペットだと思われがちですが、実は適切な環境を整えるのに意外とお金がかかります。水槽やフィルター、ヒーターなどの設備が必要で、これらは定期的に更新や交換が必要になります。

さらに、亀の成長に合わせて設備を大きくしたり、新しいものに替えたりする必要があります。こういった出費が積み重なって、「貧乏になる」という言い伝えにつながったのかもしれません。

現実の飼育コスト

実際の亀の飼育コストはどうなのでしょうか。初期費用として、亀自体の購入費用に加えて、水槽やフィルター、ヒーターなどの設備費用がかかります。これらを合わせると、数万円程度の出費になることもあります。

また、継続的な費用として、餌代や電気代、水質調整剤などの費用がかかります。これらは月々数千円程度で済むこともありますが、亀の大きさや種類、飼育環境によって変わってきます。

ただし、これらの費用は決して「貧乏になる」ほどの金額ではありません。むしろ、他のペットと比べると比較的安価な部類に入るでしょう。大切なのは、長期的な視点で飼育計画を立てることです。

亀の飼育にかかる具体的な費用

初期費用の内訳

亀を飼い始める際の初期費用を詳しく見ていきましょう。まず、亀自体の購入費用ですが、これは種類によって大きく異なります。一般的なミドリガメなら500円から1,000円程度で購入できますが、珍しい種類だと数万円することもあります。

次に、飼育環境を整えるための設備費用です。水槽は亀の大きさに合わせて選びますが、2,000円から10,000円程度で購入できます。フィルターは水をきれいに保つために必要不可欠で、2,000円から3,000円くらいです。

ヒーターは亀の体温調節を助けるために使用し、2,000円から3,000円程度です。また、亀が日光浴できるように紫外線ライトも必要で、これは3,000円から5,000円くらいします。

その他、水質調整剤や床材、亀が休める浮島なども必要です。これらを合わせると、1,000円から3,000円程度の出費になります。

これらの初期費用を合計すると、最低でも1万円程度、高くなると3万円以上かかることもあります。ただし、これらの設備は長期間使用できるので、一時的な出費と考えることができます。

月々の維持費

亀の飼育には月々の維持費もかかります。最も大きな出費は餌代です。亀の餌は専用のペレットや乾燥エビ、野菜などを与えますが、これらの費用は月に1,000円程度で済むことが多いです。

電気代も考慮する必要があります。ヒーターや紫外線ライトの使用で、月に1,000円から2,000円程度の電気代がかかります。ただし、これは季節や使用する機器のワット数によって変動します。

水質調整剤や、フィルターの交換用パーツなども定期的に必要になります。これらの費用は月々数百円程度です。

合計すると、月々の維持費は2,000円から4,000円程度になることが多いです。これは、コーヒーを毎日1杯飲む程度の出費と考えると、それほど大きな負担ではないかもしれません。

亀の種類による費用の違い

安価な亀と高価な亀

亀の種類によって、飼育にかかる費用は大きく異なります。一般的に、ペットショップでよく見かける種類の亀は比較的安価です。例えば、ミドリガメ(アカミミガメ)は500円から1,000円程度で購入できます。クサガメも1,000円から4,000円程度と、比較的手頃な価格です。

一方、珍しい種類や希少な亀は高価になります。例えば、アルビノ(白化個体)の亀や、特殊な模様を持つ亀は数万円することもあります。また、ワニガメやスッポンガメなどの大型種は、成長すると飼育が難しくなるため、購入時の価格は安くても、長期的には高コストになる可能性があります。

高価な亀を飼育する場合は、その亀の特性や必要な環境をよく理解し、適切な飼育ができるかどうかを慎重に検討する必要があります。単に珍しいからという理由で購入するのは避けましょう。

大きさと費用の関係

亀の大きさも飼育費用に大きく影響します。小型の亀は、水槽やフィルターなどの設備が比較的小さくて済むため、初期費用を抑えることができます。また、餌の量も少なくて済むので、維持費も低く抑えられます。

一方、大型の亀は大きな水槽が必要で、フィルターやヒーターなども高性能なものが必要になります。そのため、初期費用が高くなります。また、餌の量も多くなるので、維持費も高くなります。

例えば、小型のクサガメなら60cm程度の水槽で飼育できますが、大型のカミツキガメなら120cm以上の水槽が必要になります。水槽の大きさが2倍になると、価格は4倍以上になることもあります。

また、大型の亀は成長に伴って水槽を大きくする必要があります。そのため、長期的に見ると設備の買い替えにかかる費用も考慮しなければなりません。

亀の飼育で意外とかかるお金

予想外の出費

亀の飼育では、予想外の出費が発生することがあります。例えば、亀が病気になった場合の獣医療費です。爬虫類に詳しい獣医さんは少ないため、診察や治療にかかる費用が高額になることがあります。

また、亀は長生きするため、飼育環境の更新や改善にお金がかかることがあります。例えば、水槽のガラスが劣化して交換が必要になったり、フィルターやヒーターが故障して新しいものを購入したりする必要があります。

さらに、亀の成長に合わせて設備を大きくする必要があります。最初は小さな水槽で十分でも、亀が大きくなるにつれて、より大きな水槽や強力なフィルターが必要になります。これらの買い替えにはかなりの費用がかかります。

予想外の出費に備えるためには、月々の飼育費用とは別に、緊急時のための貯金をしておくことをおすすめします。

長期的なコスト

亀は非常に長生きする生き物です。小型の亀でも20年以上、大型の亀では50年以上生きることもあります。そのため、飼育にかかるコストを考える際は、長期的な視点が必要です。

例えば、月々の維持費が3,000円だとしても、20年間飼育すると72万円になります。これに初期費用や設備の更新費用、予想外の出費などを加えると、亀の一生にかかる総費用は100万円を超えることもあります。

また、亀の寿命は人間よりも長いことがあるため、飼い主が亀の世話をできなくなった場合の対策も考えておく必要があります。信頼できる引き取り先を見つけておくか、家族や友人に引き継ぐ準備をしておくことが大切です。

長期的なコストを考えると、確かに「亀を飼うと貧乏になる」という言葉も理解できます。しかし、これらの費用を計画的に管理し、亀との生活を楽しむことができれば、お金以上の価値ある経験が得られるはずです。

亀を飼っても貧乏にならない方法

コスト削減のコツ

亀を飼っても貧乏にならないためには、いくつかのコスト削減のコツがあります。まず、初期費用を抑える方法として、中古の設備を利用するという選択肢があります。水槽やフィルターなどは、清潔に保たれていれば中古品でも十分使えます。ただし、ヒーターや紫外線ライトは安全面を考慮して新品を選びましょう。

餌代を抑える工夫もできます。市販の亀用ペレットを主食としつつ、家庭で余った野菜や果物を与えることで、餌代を節約できます。ただし、亀の種類によって適切な食事が異なるので、事前に調べておくことが大切です。

電気代の節約も重要です。ヒーターや紫外線ライトは必要最小限の時間だけ使用し、それ以外の時間はこまめに消すようにしましょう。また、省エネ性能の高い機器を選ぶことで、長期的に見れば電気代を抑えることができます。

水の交換頻度を減らすことで、水道代と労力を節約できます。そのためには、適切なフィルターを使用し、定期的にメンテナンスすることが大切です。また、水質を保つための善玉菌を活用する方法もあります。

賢い飼育方法

賢い飼育方法を実践することで、コストを抑えつつ亀を健康に飼育することができます。まず、亀の種類に適した環境を整えることが重要です。適切な環境下では亀のストレスが減り、病気になりにくくなります。これにより、予期せぬ獣医療費を抑えることができます。

定期的な健康チェックも大切です。亀の様子をよく観察し、異常があればすぐに対処することで、大きな病気を未然に防ぐことができます。甲羅や目、口の周りの状態、食欲の有無などをチェックしましょう。

また、複数の亀を一緒に飼育することで、設備の共有ができ、一匹あたりのコストを抑えることができます。ただし、種類や大きさの異なる亀を一緒に飼育する場合は、それぞれの特性を考慮する必要があります。

さらに、DIYで飼育環境を整えることもコスト削減につながります。例えば、市販の浮島の代わりに、安全な素材で手作りの休憩スポットを作ることができます。ただし、亀の安全を最優先に考え、有害な素材は使用しないよう注意しましょう。

これらの方法を組み合わせることで、亀の飼育にかかる費用を大幅に抑えることができます。ただし、コスト削減のために亀の健康や快適さを犠牲にしてはいけません。適切なバランスを保ちながら、楽しく亀と暮らす工夫をしていきましょう。

経済面以外の考慮点

亀を飼うことには、経済面以外にもさまざまな考慮点があります。まず、メリットとしては、亀の長寿命が挙げられます。適切に飼育すれば、何十年も一緒に過ごすことができ、長期的な愛着が育ちます。また、亀は比較的静かで、鳴き声や騒音の心配がありません。アパートやマンションでも飼いやすい点も魅力です。

さらに、亀の飼育を通じて、生態系や環境保護について学ぶ機会が得られます。特に子どもがいる家庭では、生命の大切さや責任感を育むのに良い教材となるでしょう。亀の成長を見守ることで、時間の流れや自然の営みを実感することもできます。

一方で、デメリットもあります。亀は長寿命ゆえに、飼い主の生活環境が変わっても長期的なケアが必要です。引っ越しや家族構成の変化などで、飼育環境を維持することが難しくなる可能性もあります。また、亀は人間ほど感情表現が豊かではないため、飼い主との絆を感じにくいと感じる人もいるかもしれません。

飼育の楽しさと難しさ

亀の飼育には独特の楽しさがあります。水槽内で泳ぐ姿や日光浴をする様子を眺めていると、心が落ち着きます。また、亀の種類によっては餌を手から食べるようになることもあり、そういった小さな成長や変化を感じられるのも魅力です。季節ごとの行動の変化を観察したり、水槽内の環境を整えたりするのも、亀飼育の醍醐味といえるでしょう。

しかし、難しさもあります。適切な環境を維持するには、定期的な水の交換や水質管理が欠かせません。特に夏場は水が汚れやすく、こまめなケアが必要です。また、亀の種類や大きさに合わせて水槽のサイズを変更する必要があるため、スペースの確保も課題となります。

さらに、亀は病気になっても症状がわかりにくいことがあります。専門的な知識が必要で、爬虫類に詳しい獣医を見つけるのも容易ではありません。健康管理には細心の注意を払う必要があるでしょう。

冬眠の管理も難しい点の一つです。自然界の亀は冬眠しますが、ペットとして飼育する場合、冬眠させるかどうかの判断が必要です。冬眠させる場合は適切な環境を整える必要があり、冬眠させない場合は年中適温を保つ工夫が必要です。

まとめ

亀を飼うと貧乏になるという言い伝えは、必ずしも真実ではありません。確かに、適切な環境を整えるには初期費用がかかり、維持にも継続的な出費が必要です。しかし、計画的に準備し、賢い飼育方法を実践すれば、決して家計を圧迫するほどの出費にはなりません。

亀の飼育には独特の魅力があります。長寿命で静かな彼らは、忙しい現代生活に癒しをもたらしてくれます。また、生態系や環境保護について学ぶ良い機会にもなります。一方で、長期的なケアが必要なことや、専門的な知識が求められることは覚悟しておく必要があります。

亀を飼うかどうかを決める際は、経済面だけでなく、自分のライフスタイルや将来の計画も考慮しましょう。適切な準備と愛情を持って接すれば、亀との生活は決して「貧乏」ではなく、むしろ心を豊かにしてくれるはずです。

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